なぜ世界がポルポトの虐殺に関与しなかったのか。
それには大まかに2つの理由がある。

 

1つはポルポトが徹底した鎖国政策をとり、人の移動や情報を封鎖したこと。
もう1つは真実に信憑性が欠けていたこと。

 

実際に何とかこの虐殺を報道するまでに至ったこともあったが、
自国民の1/3を虐殺するなどあり得ないと判断された。
それは国家にとって何の利益ももたらさない。
だから誰も信じなかったというわけだ。
しかし虐殺疑惑の波紋は止め様もなく、取材の依頼が殺到した。
拒否し続けて国連の視察団が来れば致命的と判断したポルポトは
限定地域、限定期間での取材を承諾した。
そこでは裏工作がなされ、平和な村を装ったので事実は隠蔽された。

 

疑問を解消できなかったジャーナリストの一部は
果敢に独自の取材を展開したが、そのほとんどは行方不明になった。
まず間違いなくポルポトの命令で殺されたのであろう。

 

引用:奈風さんのエッセイより