Gate5:ドイツ入国の攻防 ワーホリビザ問題

別室に入るとそこは、パソコンが一台だけ、他は机、イスといった部屋だった。
審査官はイスに座るなり再び質問攻めをしてくる。
「所持金を出せ」と言われ、俺はポケットから千円札をだした。
千円しか持ってなかってん。

 

千円しかなかったからついでに、カード類もだしといた。
すると審査官は「なんで千円しかないねん!」と言ってくる。
なんでってゆわれても無いもんはないので、
「金はカードに入ってる」と言って金ある事をアピールしとく。
すると審査官、カードの裏に書いてある番号に電話をかけはじめよった。
書いてある全ての番号にね。

 

こいつアホちゃうか?
残高を調べる為か、俺の物である確認をする為か、ただのいやがらせか、
理由はわからないが、今は朝6時、しかも音声は日本語のはずや。
そんなもんわかるはずがない。

 

しばらくして諦めよったが、次に「手荷物を全部だせ」といい、
俺の持ち物をチェックしだした。

 

その次は、「今日はどこに泊まるねん?」ときた。
当然、そんなもん決まってない。
だがこの状況からそれはまずいので、まぁ適当にユースに泊まると言っておいた。

 

すると、俺のガイドブックからフランクフルトのユースを探しだし、
電話をかけはじめるではないか。
おいおいマジかよ、
審査官「そんな予約入ってないゆうてるぞ」
俺「いやちゃうねん。これから泊まる予定やねん。予定やで」
とかいいながら、こぜりあいが始まっていく。

 

「お前何しに来たんや?」
「観光」
「なんで6ヶ月のビザあんのに千円しかないねん?」
「だからカードに入ってるてゆうてるやろ。」
とか答えていると、むこうは、
「とにかく全てがはっきりするまで、入国させるつもりはない。」
といいだした。

 

ここから俺は作戦をかえだす。
肛門をまもる為に、、、

 

そもそも、はっきりもなにも、
俺は英語でうまく説明できるだけの語学力がない。
言いたい事を細かく説明できない。
ゆってることもだいたいの感じでわかるだけで、
はっきり、わからない。

 

向こうもそれがわかっているから、時間が経てば、
「もうええわ」
って言ってきてもよさそうなんやけどなぁ。
パスポートが本物ゆう事は、確認できてるはずやし。

 

そんな俺の思惑とは裏腹に、こっちの意見はききいれてもらえなくなってきていた。
ここまでくると、ほとんど犯罪者扱いである。
すると、隣の部屋から黒人が手錠をはめられて、連れていかれてる。

 

このままじゃ、ぬれぎぬをきせられかれない。
ましてここは外国である。
向こうからしたら、こっちはアジアから来たゲスな東洋人としか思っていない。
しかも、審査官一人で十分やのに、もう一人入ってきた。

 

この状態、非常にやばい。俺の神経が張り詰める。
俺の肛門はどうなる?
しかしここで急展開。
審査官がトランスレイター呼んだから30分待っとけといいだした。
これでようやく、一安心。

 

しかしここからさらに、もう一波乱おこるのだ。
この通訳のオッサンが、かなりの曲者だったのである。