Gate6:ドイツ入国の攻防、どんくさい通訳

その通訳は、かなりどんくさい奴であった。

 

通訳の人がくるまでの間、メッチャ暇やった。
お互い一時休戦みたいな感じになり、フレンドリーに話かけてくる審査官。
そこで俺は、その流れのまま「腹へった」てゆうた。
すると、意外な事に、
しばらくして審査官がサンドイッチを持ってきた。

 

いやぁー、なかなかドイツはええもんやなぁー
そう思っていると驚くべき光景が

 

そのサンドイッチ全部一人で食べよった。
「ちょっと食べる?」とか、なかってんけど、、
なんやこいつ、、、、

 

そんな熾烈な争いが行われてる間に、30分、40分と時間が過ぎてゆく。

 

「あれっ、もう30分経ってるで。」と聞くと、
審査官は、「ほんまやなぁ、遅いなぁ」とゆうだけ、

 

しばらくすると、別の審査官がきて、
「どうやらこっちに来る途中、事故ったらしい。」と言った。

 

マジ?
事故?
そんな事あんのか?
コントちゃうねんから。
いったい、いつなったらでれんねん?

 

わるい事は、重なるもんである。
とにかく俺は、一刻もはやく入国したかった。
そして寝たかった。ゆっくりと。

 

結局そのオッサンは、それから約1時間後に到着。
思ったより早かったけど。
その人は、50代ぐらいの頑固オヤジ、そんな風に見えた。

 

ところで、俺が日本を出る時、一人じゃなかったのを覚えているだろうか?
もう一人いたはず。
彼はいったいどうなったのか?

 

実は彼も一緒に別室へ連れてこられていた。
俺の後ろに並んでいたために。
はっきりいって彼は、全然関係なかった。

 

まあ、最後のほうは、外に出してもらえてたが、
それにしてもわるい事をした。
彼にとっては、初めての海外、期待でいっぱいだっただろう。

 

そんな事もあって、通訳がきてからの審査官との1対1のやりとりは、
かなりのプレッシャーがあった。

 

当然ながら通訳の人は、互いの言葉をただ訳すだけ。
しかし、俺は、あまりにもえらそうなモノの言い方にキレてしまう。
「ちょっと、まって。それが、初対面の人間に使う言葉使いか?」
「何考えてんの?」
すると、
「いや、私は審査官の言葉をそのまま訳してるだけなので、
私にあたらないでください。」やって、
これは失礼しました。

 

結局、何が原因だったかというと、
金に困ったバックパッカーが海外でパスポートを売る為、
中国人、ミャンマー人、等が日本人になりすましての不法入国が最近頻繁におこっているため、
俺のボロいパスポートが疑われた事と、
パスポートについているワーホリのビザのことが主な原因であった。
ドイツのワーホリは、2、3年前に始まったばかり。
国境警察の奴等は、フランクフルトの場合、全員この制度を知らなかったとゆうことになる。
ほんまいいかげんな国やで!

 

とにかく、向こうの疑問も解決し、
ようやく俺のパスポートにスタンプが押された。

 

俺達は、通訳のオッサンにきちんと
お礼もゆわずに、さっさと空港をあとにした。

 

これから俺達はザールブリュッケンという小さな田舎街で、
3週間、大学で生活をすることになる。